ソース・コード

ジェイク・ギレンホール主演でおくるSFタイムスリップ・スリラーサスペンス。原題『SOURCE CODE』2011年のアメリカの作品

政府が開発した死を迎える人間の8分間だけその人物に成り代われるプログラム「ソース・コード」を駆使して列車爆破テロ犯を突き止める任務に就いたコルター・スティーブンスの姿を描く
爆発までの8分間を何度も生きる!

グッドウィン役のヴェラ・ファーミンガがすごくよかった。彼女の優しさが伝わってきた
常に笑顔のミシェル・モナハン(35)もよかったし
なぜか常に興奮状態のプログラム責任者役のジェフリー・ライト

マトリックス』とタイムトラベルをミックスしたような非常に不思議な世界。頭いい人じゃないと脳内整理に混乱するだろう
こういう何回も同じ場面を繰り返して成功に導く作品って前にもあった気がする

ったく、犯人デリクを見つけたときにさっさと撃てばよかったのに

最後思い残すことがないように充実した8分間を過ごしたスティーブンス。もう綿密な計画を練っているのでお手の物パーフェクト!ブラボー!この辺りは『死ぬまでにしたい10のこと』のように次から次へとやり残しのないようやっていて微笑ましい。自分だったら何するかな・・

最後にグッドウィンがなぜ普通に出社してるのかよくわからなかった。あれだけのことやらかしちゃったんだから本来なら処分を受けてるはず。これ本当に次の日?と思ったら、スティーブンスからのメールを受け取ったということは、爆発当日の朝だったわけね
でもグッドウィンはなぜ上司に報告するのを途中でやめたんだろう
で、事故も未然に防いだことになってる。つまりスティーブンスのおかげ

にしても短時間の間にクリスティーナやグッドウィンという2人の女性の心を動かしたんだからスティーブンスというのはすごい男だ

で、本来ならスイッチ切られて完全に脳も死亡したはずのスティーブンスにキスの続きがあったのはなぜか?
おそらく事故を防げたことで列車も乗客もそのまま。そして本来ならソース・コードされるはずのスティーブンスの脳もそのままだったので、スイッチを切られた未来が変わったというわけ
救っても意味ないのにと思ってたからビックリした。最後に救ってスッキリ片を付けて死にたいんだろうなと思ってただけに、まさかこんなオチになるとは
でもそうなるとスティーブンスに乗っ取られた元のショーンが気の毒w本来なら彼も生き返ることになるから
つまりスティーブンスは本来なら事故で死んでいたのに、ショーンに乗り移っておまけにという彼女付きで新しい人生を歩む

でもキス&ストップで終わらせた方がシンプルですっきりしたラストになってたと思うんだが。キス&ストップの後の伏線が長くてなかなか終わらない

で、当のグッドウィンはどうなったか?
もちろんオリジナル世界ではあれだけのルール違反をやらかしてしまったのだから、起訴されたりとかクビになったりとか結構悲惨な状態になってるはず
じゃあラストに描かれているグッドウィンは何なのか?これがこの作品の最大の引っ掛けなんだが、あれは本来起訴されたりされてるであろうグッドウィンの未来が変わったのではなく、あくまでスティーブンスのパラレルワールド内での事故当日のグッドウィンを描いただけ。つまり現実ではなく、パラレルワールド内の一側面に過ぎない。でもあれが結末だと美しいからラストに持ってきたんだろうね
そこら辺が過去に戻って未来を変えるというタイムトラベル物と違うところ。決して未来は変えられない。新たなパラレルワールドは生まれるけど
無残な下半身のない姿のスティーブンスも顔が動いてたからもしかしたら生き返るんじゃないかと期待したが

複雑なので整理してみた。
○現実
ティーブンス:スイッチ切られ完全に死亡
クリスティーナ:やはり死亡
グッドウィン:起訴されたりとか、クビになったりとか、結構悲惨な状態
列車爆破事故:やはり回避できない
犯人:スティーブンスの情報により逮捕
●パラレル世界
ティーブンス:「ソースコード電車ミッション」されていないで脳だけ生きており、その脳内のパラレル世界でクリスティーナと幸せに暮らす
クリスティーナ:スティーブンスと幸せに暮らす
グッドウィン:事故当日にメールを受け取り、何の処分もされていない(ソースコード電車ミッション自体発動されていないことになっているから)
列車爆破事故:回避
犯人:スティーブンスが通報し逮捕

いやー久しぶりに実によくできている作品に対面できた。感動!こういう作品好き。『インセプション』とかが好きな人なら絶対楽しめる
しかしこんな面白い作品がまだ日本で公開されてないなんて信じられんな