ハドソン川の奇跡

クリント・イーストウッドが送る、不運なトラブルから155人を不時着水で救った英雄が容疑者になったの2009年の本当にあった事故の真相に迫り、その足取りを追う。奇跡でもあり軌跡でもある
原題『SULLY』は2016年のアメリカ映画

いやこれなかなか面白かった。やはりトム・ハンクス作品にハズレなし。にしてもアーロン・エッカートといい二人とも随分老けたなあ。頭真っ白じゃん
奥さんは泣いてばかり^^; ローラ・リニーも久しぶりに見たな

会話多めのドキュメンタリーみたいな感じなので派手なアクションこそないが、たくさん英語聞けてラッキーという感じ

冒頭見てたらほぼいきなり不時着水後の取り調べみたいなのから始まってるので、あれ、肝心の不時着水のシーンはなしかと思ったら
後から回想するドキュメンタリーのような展開

しかしあんな大群の鳥がエンジンに突っ込むなんてことあるんだな
亡くなった鳥さんたちは気の毒だけど、そうそうない不運なトラブルといえる
鳥事故なんて普段想定して操縦や訓練しないと思うし

不時着水のシーンも緊迫感あってよかったけど、IT技術者として何と言っても一番の魅力的なシーンはやはり最後のシミュレーションのシーン
あんな状況を残された数少ない物証から忠実に再現するとは、最近のシミュレーション技術はすごい
だが現実は理想ほどうまくいかないというものを物語っている。
むしろあの状況下でたった35秒でよくあれだけの英断を下したもんだ
システムの世界でも本番前に必ず検証をする。何度も何度も失敗してようやく成功への最終解を得られるのが検証
だが本番では失敗は許されないし、検証時にはあり得なかった想定外の出来事も起こり得る
そして人為的ミスの要因も。人間は緊急事態であればあるほど冷静さを失い、練習時など普段やらかさないようなあり得ないことをやからしてしまうもの

川に落ちた後の救出シーンはまさに『海猿』そのものの人海戦術を見ているようで見事だった
とりあえず川の上なら泳ぐなりして助かるだろうと思いきや、真冬での気温は氷点下6度、水温2度。気温を考えると長時間の浸水は凍死につながる。緊急ボートの上でひたすら助けを待つしかない。あれはほぼプールの浮き輪の延長みたいな感じで進む力はないし
ああいうとき機長やアテンダントは真っ先に逃げたいだろうに、乗客を優先しなければならない。その結果もしかしたら自分たちの命が危ぶまれる状況であっても

ignitionって点火とか燃焼って意味だった。ひたすらカタカナで「イグニション」とか字幕で出てるから何かと思ったわ
pull upは案の定、引っ張りあげるとか急上昇させるって意味
stay downってあんなに何回も言わなきゃいけないもの 2,3回で十分のような

ちなみにELの最後のほうに流れていた実際の不時着水時の映像がこちら
US機不時着、アメリカ沿岸警備隊屋外カメラ撮影(音なし10分)
これを見ると映画は実に現実を忠実に再現していることがよくわかる

映画『ハドソン川の奇跡』オフィシャルサイト